支倉凍砂「狼と香辛料Ⅲ」

狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

今までのシリーズあっての最高作三作目。そんな感じです。
今までのシリーズでは、ここぞという時にホロが狼の姿に戻って事件をスムーズに解決、というライトノベル的見せ場、水戸黄門の印籠のような展開があったのですが、今回はそれが一切なく、主人公たるロレンスが自分の才覚だけで窮地に立ち向かっていこうとする様は素直に面白いです。ある程度経験を積んできた商人としての面目躍如といったところでしょうか。最終的にはやっぱりウフフでツンデレで小悪魔で老獪な我らがホロたんに軍配が上がってしまうのですが、そこはもう爽やかっていうか「くそー、流石ホロだぜ! カッコいい!」となってしまいます。ホロはいいなあ。ホロ。ロレンスも相当かわいいのですが。
別に毎回ホロが狼となって出てきても不満には思わなかったでしょうが、得体の知れないマンネリ感を感じる羽目にはなったと思います。そういう点で今回は、「ホロは変身することもあれば頭脳だけで戦うこともあるんだヨ」という作者からのご神託。これからも読みます。


はっ、新年明けてからライトノベルを三冊しか読んでいない計算に!