原田宗典「はたらく青年」

はたらく青年 (角川文庫)

はたらく青年 (角川文庫)

原田宗典の学生時代のバイト遍歴を綴ったエッセイ。
父親がギャンブルで破滅して、家に借金取りが来たり、学生時代はバイト代のみで生活していたことなど、いかにも原田的オモロ文体で茶化してるけど、相当辛かったんじゃねえかな、と思うとシミジミします。
時給四百円でそこそこいい給料、とか、エロ本の配達とか、なんだか時代を感じるエピソードも多いですね。エロ本の配達はもしかすると今でもあるかもしれませんが。しかしエロ本の自販機はもう見なくなって久しいです。
オモロ感だけで言うなら正直、バイト時のオモシロエピソードよりも、大学時代に書いた「技巧に走りすぎてカッコつけた文章ではあるがとにかくオモロクない」小説を発掘してうひょー、と恥ずかしがってるエピソードの方が面白かったです。
ええと……、
刺すような痛みを感じるというか。
若い頃ってそういうもんですよね。いや、原田さんと私じゃ比べモンにならんのですが。